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凍りのくじら(講談社文庫)/辻村深月
本の内容(Amazon.co.jpより引用):藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。
高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。
戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。
そして同じ頃に始まった不思議な警告。
皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。
読んだ時期:
2009年3月7日。
レビューとか感想とか:
辻村深月さんの小説です。
「冷たい校舎の時は止まる」「子どもたちは夜と遊ぶ」を読んで以来興味を持って
ブックオフでひたすら辻村深月さんの作品を探していたのですが何故か無い。
諦めて本屋で探すも、これまた何故か無い。
手に入らないとなると是が非でも欲しくなるのが人間です。
と言う訳で思わず楽天BOOKSでこれと「ぼくのメジャースプーン」を注文しちゃった次第です。
さて内容ですが、藤子・F・不二雄の先生SF(少し・不思議)をもじって、
周りの人たちの個性をSFであらわすことが趣味
(母:少し・不幸、元彼:少し・腐敗、みたいな感じ)な
主人公の女の子が色々あって人間的に成長していく青春小説です。
あんまミステリーじゃないのでご注意下さい。
至る所でドラえもんやドラえもんの道具が出てきますが
それぞれの道具が何かを示唆してたりするみたいです。
感想としては、SF(少し・不愉快)。
個人的にあまりドキドキするポイントがありませんでした。
惰性で読み流した感じです。
大体350ページ位あるのですが、この方が前に出した作品を読んでいる方は
多分100ページも読めばオチが想像ついちゃうと思います。
でもまぁ、一番のポイントは主人公の女性に共感出来なかった事だと思いますが。
元々他人を見下しているだけで無く、友人の忠告も無視し
自分を棚に上げてその場の気持ちに流されてふらふらしちゃいます。
その為、何か問題が起こっても「自業自得じゃん」としか思えなかったので
応援する気持ちになれませんでしたし感情移入も出来ませんでした。
逆に言えば主人公の女の子に共感できれば物凄い感動出来るとも思いますけどね。
構成はしっかり練られていると思いますし、色々伏線も張られていますので
私が今言っている程酷い作品ではないです。むしろ良く考えられていると思います。
気分的にはあれですよ。
普段カップラーメンばっかり食べている人が「寿司おごってやるよ」と言われ
喜び勇んで行ったら寿司屋休みだったので、じゃあ牛角で、みたいな感じです。
牛角も好きですが、胃袋が寿司を期待していたのでガッカリした、みたいな状態です。
お気に入り度:
★★
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posted by ササキマコト