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幸福荘の秘密―続・天井裏の散歩者(角川文庫)/折原一
本の内容(Amazon.co.jpより引用):本格推理の偉大な作家、小宮山泰三を慕って多くの推理作家のたまご達が集まった幸福荘。
しかしいまや当時の木造モルタルの面影は無く、三階建のマンションに変貌していた―。
『幻の作家を訪ねる』企画取材のため、かつての幸福荘を訪れた私は
花束を抱えた怪しい美女を目撃した。
しかもその直後、偶然一枚のフロッピーが私の手元に…。
創作か、現実か!?怪しげな人間ばかりが集まる館に残されたフロッピーをめぐって、
またまた巻き起こる九転十転のドンデン返し。
読んだ時期:
2009年11月6日。
レビューとか感想とか:
「究極の叙述ミステリー」のうたい文句に惹かれて買った一冊です。
「天井裏の散歩者―幸福荘殺人日記」と言う本の続編らしいので
そちらを先に読んだ方が楽しめるのかもしれません。私は読んでないですけど。
内容の方はネタバレになるのであまり触れませんが、
うん、叙述トリックは満載でした。
連作短編になっており、それぞれの短編で一旦話が完結・・と思いきや
その完結が次の短編であっさり覆されます。
雰囲気としては昔見た映画「ミッションインポッシブル」を連想させました。
あの映画も、敵だと思ったら味方、味方だと思ったら敵
そー思わせといて実は敵の策略で本当に味方だった。みたいな感じで
騙し絵のようにコロコロ見える物が変わりますが、それに近い印象です。
難点を挙げれば、全体を通して見ると分かり難い、矛盾が多いと言った所でしょうか。
どこからどこまで作り話でどこが実際にあった出来事なのかさっぱり分からないので
読み終えた後に全体を考え直すと頭が混乱する事必至です。
あれ?ここは作り話?でも実際にあった出来事でこの部分を根拠にしてるよなぁ、
て事はここは実際にあった出来事?でもそうするとここは矛盾するよなぁみたいな感じで。
最終的に「全部作り話でしたぁ!」と言われても反論出来ない設定なだけに
理路整然とした解決編を求める方には不満が残るかもしれません。
ただ、そこら辺をさっぴいて考えても個人的には楽しめましたよ。
特に叙述トリックが満載で、お話自体よりもトリックや言葉遊びがメインだと感じました。
叙述ミステリーが好きな方は読んでみても良いと思います。
後は全然関係無い所で「こんなわたしって、悪女かしら?」のセリフが気に入りました。
ある意味「じっちゃんの名にかけて!」以上の迷台詞だと思います。
何はともあれ叙述トリック好きの私がもう少し折原一さんの本を
追っかけてみたいと思わせる、そんな一冊でした。
お気に入り度:
★★★
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posted by ササキマコト